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第789回 「コストカットマンションと業界の苦悩」

   三井健太の「住みたいマンション」はこちらに移動しました。 引き続きご愛読をお願い申し上げます。 ★小冊子 「上手な自宅マンション売却の全て」進呈中」★    お申し込みはこちらへ  mitui@syuppanservice.com ※ご自宅マンション売却のご相談もどうぞ こちらから→ 三井健太のマンション相談室【物件評価申し込み】 (mitsuikenta.com)   マンションメーカーはいつも強気のように見えます。しかし、マンションは数量限定品だから高い値段でも売れるだろうと高をくくっているわけではありません。高くなってしまい、売れなくて困った事態を何度も味わって来たので、強気もほどほどにしなければならないとも考えているのです。    しかし、土地を安く買う独自の方法などありませんし、建築費も特別に安くしてくれるくれるゼネコンもありません。ここに、業界の苦悩があります。 今日は、いかに販売価格を下げるかの課題に取り組むマンション業界の裏事情に迫っています。   ◆安い土地がない  価格急騰の局面において、マンショ ンデベロッパーは 、いかに2大原価の用地費と建築費を安く抑えるかという課題に苦悩します。   土地が売り出されると、マンションメーカーはこぞって入札に参加します。そして、一番札を入れた企業に高値で売却されます。   入札によらない土地もありますが、それは、どちらかと言えば狭小地か、広くてもマンション立地としては不向きな条件、例えば工場に近いとか、線路沿いとか、あるいは駅から距離があることなどで、売りにくい土地の場合です。 これらは、買い手が中々現れず、最後に無名のマンション業者が買ったりします。     例外なく、マンション業者は「 いい土地がないなあ 」と嘆いています。   時計の針を戻すと、バブル崩壊後のひところ、マンションデベロッパーにとって信じがたい一等地が次々に放出されたことがありました。    日本の企業経営の根幹であった「含み経営」 思想が 2000 年 あたりから崩れ始めました。それまでは、土地は手放さなければ含み益を生み出し、企業を支えるという一種の信仰がありましたが、それが大きく変化したのです。   歴史ある企業が保有していた土地

第788回 大規模修繕工事ってどのくらいの費用が掛かるの?

  三井健太の「住みたいマンション」はこちらに移動しました。 引き続きご愛読をお願い申し上げます。 ◆ ◆ ◆ ご承知のように、マンションは老朽化に伴い、大規模な修繕工事が周期的に行われています。概ね 12 ~ 15 年周期ですが、築 40 年のマンションが過去 3 回実施したかは定かではありません。   古いマンションの中には、過去一度も修繕したことがないという例も僅かながらあるようです。しかし、最近は大規模修繕の意義について理解が深まり、合意形成ができやすい環境になっているようです。   マンションは、簡単に建て替えることができないので、可能な限り長持ちさせなければなりません。そのためには、日常の管理もさることながら、大規模な修繕を実施することが不可欠です。   ●大規模修繕の費用は? 大規模な修繕とは、雨漏りが生じないように「屋上の防水」、「外壁の塗装や亀裂の補修」、「外廊下とバルコニーの床の補修」をすること、給水・排水が滞ることのないようにパイプの洗浄と交換、命の危険に係る「エレベーターの交換」、「駐車機械の交換」といったものを指します。   これらの工事に要する費用は、言うまでもなくオーナーによる積立金を充当することになります。個人住宅(一戸建て)は自分の都合で、やりたいときにやればいいですが、集合住宅の場合は合意形成に手間取るので、計画的に実施することが必須です。   大規模修繕の場合は費用も多額なので、必要なときに徴収する形では足並みが揃わず、合意形成は時間もかかり、ます。 そこで、計画的に積み立てておくことが必須となっています。   分譲マンションの黎明期には、どのくらい積み立てればよいかのガイドラインもなく、適当に金額を決めて積立をしていました。管理費の 10 ~ 20 %相当額(月額 1000 円か 2000 円)という時代が長く続いていたのです。    国土交通省)は、 2017 年5~7月、修繕工事の内容や費用などに関し、工事の実績が多いとみられる建築事務所や設計コンサルタントにアンケートを実施。回答が得られた944事例を分析しました。    それによると、大規模な修繕は1回目が築13~16年前後に行われ、 1戸あたりの平均は100万円。2回目は築26~33年前後で同97万9千円、3回目以降は築37~45年前後で同80万9千円 だったそうです