第797回 「問題あると分かっていても価値ある選択」

 

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Contents 物件案内時の注意点(買い手に好印象を与えるコツ

●不動産売買は営業マンの営業力やヤル気次第

●高く売るコツは? ●実は何より大事なのは売主の印象

●物件案内時の注意点(買い手に好印象を与えるコツ)

●本当に専任媒介がいいの?   その他

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筆者が主張し続けているのは、資産価値(リセール価格)の重要性です。

 

マンションは売らない限り、損も得もありません。しかし、現実問題として資産価値が重要なのは、永住するつもりでも、いつなんどき売却の必要が出て来るか分からないからです。

 

そのとき、できるだけ有利に売りたいと考えるのは自然ですし、損失を少なくしたいと考えることものです。そのために大事なこと何でしょうか?筆者は、次のように主張して来ました

 

マンション選びの優先順位

①マンションの価値を左右するのは「立地条件」が一番だ

②立地条件が同じようなもの同士の比較では「建物価値」が次に見るべきポイントである

③マンション選びは「街を選ぶ」、次に「マンション全体」、最後に「住戸」という順番である

  安さを追うと失敗する

  今は新築限定で探すと物が少ないので、中古も視野に入れるべき

 

資産性という観点以外に大事なこともあります。マンション購入には、住まう家族を幸せにする側面があるからdぇ、例えば、「スープの冷めない距離にあるから」、「親が今は元気だけれど、もうかなりの高齢なので側にいてあげたい」――このような動機から選択する人があります。

 

これらは、他のどんな条件より優先すると言ってよいかもしれません。

 

一般に、選択条件には下記のようなものがありますが、こうした動機で選択した物件は、経済合理性に反する場合もあることでしょう。

 

◆子供に転校させなくて良いから

◆通学距離が長くて可哀相だから

◆住み慣れた好きな場所だから

◆友達と離れたくないから

◆こじんまりしたマンションが好きだから

◆人気の駅だから

◆ステイタスを感じる場所だから

◆住んでみたい憧れの場所だから

◆売主や施工会社が信頼できるから

◆維持管理が期待できるから

◆自然環境が素晴らしいから

◆部屋が広いから

◆購入予算が少なくて済むから

◆管理費等が安いから

◆どうせ長く住むつもりがないから

 

これらの選択条件がひとつだけでないことは確かです。 複数の条件が絡み合って選択されるはずです。しかし、その優先順位には「ちょっと待って」と言いたくなるケースが見られます。

ただ、他人の筆者がそう思っても、買い手にとっては優先する条件なのでしょう。「その選択が間違い」とは誰も言いきれないのかもしれません。

 

マンションに理想のものは存在しません。このため、どこかを妥協して選択することになるものです。問題は、どの部分を条件から外していいかにあります。その視点から見れば、疑問に感じる選択をしてしまう人が少なくありません。

 

「それでも構わない、この土地・街が好きだからここに住みたい」という人もあるでしょうし、管理費と修繕費の高さも、その人の金銭感覚や価値観によっては高くないという場合もあるのです。

 

品質はさほど悪くないが値段は驚異的な安さのユニクロ製品を買わず、1着何十万円もするブランド服しか目に入らない人も少なくありません。カローラよりBMWを選択する人もたくさんいます。

これと同じで、好きな物は高くても高いとは思わないのが「価値観」ではないでしょうか? 人間は経済合理性だけでは行動を決めないものです。結局、何を基準にして選ぶかは人それぞれなのです。

 

満点のマンションは存在しないので、部分的に妥協するというスタンスは必須となるものです。ただ、他人が何と言おうと嫌なものは嫌という「好き嫌い」は、妥協できない問題でもあります。

 

ある人は、建物の外観が「何となく昔の公団住宅みたい」と言って、平均1億円もする高級マンションを買わなかったのです。設備・仕様もハイグレードの大型マンション、環境も良く利便性も高い立地条件で、文句なしの物件でしたが、外観デザインにセンスがないという判断だったのです。

 

要するに、その人にとって「恰好の良い」マンションであることは重要で、機能や利便性、品質レベルは高くても、色・テイストが好きでないから「欲しい」という気になれなかったということなのです。

 

販売員は、設備や仕上げ材の高級感を、また場所の稀少性を懸命に訴えたかもしれません。しかし、現住居が築10未満の分譲マンションであったことや、モデルルームを何件も見ていたということから推測すると、おそらく目の肥えた人なのでしょう。また、住まいはステイタスシンボルという考えが前提にあったのかもしれません。販売員の説得に耳を貸さなかったのです。

 

生い立ちや交友関係、育った環境などが影響している可能性もあり、他人には分からない世界です。適当な言葉が浮かんで来ないのですが、「蓼(たで)食う虫も好き好き」という格言があるように、他人には量れないのが好き嫌いの問題です。

 

駅近にあり、将来のリセールバリューが高い物件になりそうと分かっていても、商店街の一角に立つようなマンションは嫌いだという人がいます。

小規模で管理費が高い、駅からも近いとは言えない、けれども区画の大きい一戸建てが並ぶ住宅地の一角に建っているから好きという人もいます。

 

300戸を超えるメガマンションやタワーは絶対いやだ、買うなら30以下のこじんまりした低層マンションが好きという人もいます。また、三菱や三井の物件しか検討しないという、盲心的なファンも少なくありません。

 

資産性の観点が大事

 価値観の差がある。好き嫌いの問題もある。だから、「あなたが好きなものを選べばいい」と言ったら、身も蓋もありません。少なくとも、筆者のブログに興味を持ってくださる読者は「資産性」の観点を軽視していないはずです。

 

無論、「将来価格の予測レポート」をオーダー下さった方は、資産価値に強い関心がある方ばかりです。

  

筆者は常日頃、「資産価値の観点からコメントしました」とお断りしてレポートのまとめとしています。 そして、「マンションには経済的価値と使用(利用)価値の二つの側面があると考えられます。

後者は、個人の価値観や家族の事情などによって幅があるもの、その大きさは他人には測り知れないものがあります。仮に経済的な損失を被ったとしても、使用価値が高いことで大きな精神的利益を得て余りあると考えられるなら、その選択は間違いではありません」と結びます。

 

このバランスを取ることは難しいのかもしれませんが、あるご依頼者は感想文にこう記されていました。「売却するときのことも大事だけれど、その手前の暮らしの方が大事と気付きました」と。

 

資産価値を念頭に置きながら探す。その難しさ。しかし、迷っても「ここに住みたい」という気分が決め手になるのではないかとも思います。

 ともあれ、悩むのは「予算」との関係にあります。予算を無視してマンション探しをする人はありませんから、「理想と現実のはざま」に苦悩するのです。

 

筆者はレポートの結論として再考を促すこともあります。ときに、第三の選択肢を提示することもあります。「立地条件は妥協しない」ことを前提として、次のように提案しています。

①中古物件も探してはどうか

3LDKにこだわらず、2LDKを検討しては?

  中古を検討している人には、「築浅」にこだわらずに探しては

 

その選択の仕方は問題だなあ、そのマンションだけは止めた方がいいなどと感じるケースは、ご相談・評価依頼のお申込みの中に多数あります。それらに対し、筆者は率直に所見を述べて来ましたが、回答(マンション評価レポート)を送ったあとで、いつもこれで良かったのだろうかと自問自答しています。

 

人それぞれの考え方を、何も知らない他人が左右しようなんて、何と傲岸な所作であろうか。そんな疑問も感じます。しかし、その所見が役に立つこともあるだろう。そう信じて頑固にこれまでの姿勢を続けようと何度も思い直して来ました。

 

とまれ、今日の最後に、「マンション選び20原則・20の自戒」として、整理しました。資産価値を重視したい人は、以下の原則をしっかり記憶に留めて置かれることを願います。

20の自戒としたのは、「このような買いものは危険」という筆者の気持ちを込めているからです。

 

マンション選び20原則・20の自戒

1)駅から遠い物件(10分以上)は避ける(5分以内が理想)

2)バス便のマンションは値下がりする(例外は殆どない)

3)東京都心に一直線でアクセスできる鉄道の駅がいい

4)1階、2階の部屋は避けたほうがいいい(例外もある)

5)小規模マンションは避けた方がいい(例外もある)

6)大手は安心だが絶対ではない(中小デベにも良いものはあるが・・・) 

7)安物マンションは銭失いになる(例外はない)

8)バルコニー方向に切迫して建物があるものは極めて売りにくい

9)向きは気にしない(南向き信仰は根強いが、気にしない人も多い)

10)設備の良し悪しを優先項目にしない(優先項目の一番は立地である)

11)間取りはスパンに注意する(狭いスパンは問題箇所が必ずある)

12)マンションは住戸を買うのでなくマンション全体を買うものと心得る

13)マンションは格好いいもの(デザイン性の高いもの)が良いと心得る

14)大きいマンションは良いマンションである場合が多い(例外もある)

15)売却時、見学者は感動してくれるかと他人目線で考えてみる

16)マンション選びの順番は①街、②建物全体、③住戸と心得る

17)供給過多は気にしない(いっときのことだから)

18)中古も検討する(新築の供給が減ってしまったから)

19)中古は築年数に気をつける(例外もあるが、35年以内が無難)

20)住宅ローンは今の金利なら10年経過で25%は残債が減る

 

・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談のお申込みはこちらからhttp://www.syuppanservice.com

 

三井健太の2大サービス「マンション評価サービス」と「将来価格の予測サービス」

・・・継続中・・・ご利用をお勧めします。

 

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https://www.sumu-log.com/archives/author/mituikenta/(スムログ)

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