第801回 「中古物件は3か月で売れるのか?」
Contents ●物件案内時の注意点(買い手に好印象を与えるコツ
●不動産売買は営業マンの営業力やヤル気次第
●高く売るコツは? ●実は何より大事なのは売主の印象
●物件案内時の注意点(買い手に好印象を与えるコツ)
●本当に専任媒介がいいの? その他
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今日は、自宅マンションを上手に売るにはどうしたらいいのかという問題についてまとめてみました。
売り手は、たとえ焦っている状況でなくても、売りに出すと、いつになったら売れるのか心配になるものです。
万が一、マンションを売りに出してから3ヶ月が経過してもなかなか買い手がみつからない場合や、1ヶ月が経過しても内覧の申し込みが一向に入らず、売れる気配がない場合などは、必ずなにかしらの原因があります。
その原因を究明し改善しない限り、いつまで経っても売れ残ってしまいます。
見学者が少ないのは、どのような原因があるのでしょうか。大別すれば、以下の3点が考えられます。
1) 市況が悪い
最近10年ほど振り返ると、市況は必ずしも良いとは言えないのですが、・・・
2)立地条件が良くない
マンションの価値は立地条件によって左右されることが多く、例え立派な建物でも都心から遠く離れた場所にあれば、買い手は中々現れないものです。
3)価格が高過ぎる
なかなか売れない理由として真っ先に考えられるのが、価格の問題です。
つまり、設定した売却価格が高すぎる、ということなのです。
通常、相場よりも高い金額で売買募集を開始する場合は、依頼した業者からその旨を予め伝えられます。それでもなお高いままの金額で出すのであれば、いつまでも売れずに「棚ざらし」状態が続くものです。
売主自身で高いということに気がつかなければ、無駄に時間だけが過ぎていくことにあります。
少しでも高く売りたいと思うのは自然のことですが、市場の評価から遠すぎる高値では振り向いてもらえません。 買い手は、少しでも安く買いたいはずです。 自分のマンションは特別だから多少高くても売れるだろう、などと過大評価してしまっては良い結果は得られないものです。
売り出し価格を決めるとき、最終的には仲介を依頼した不動産会社の担当者と相談して決定する流れになりますが、まずは自分自身で情報収集しておくのが得策です。
まず、新聞の折り込みチラシ、ポスティングチラシを活用しましょう。
特にポスティングチラシは具体的に売却物件募集と明記されていたり、同じマンションで別の部屋が売り出し物件として掲載されていたりして参考になります。頻繁に売却物件募集のチラシが入り、売り出されてすぐに売れている状況であれば、人気のあるマンションであると判断できます。
一方で、チラシもほとんど入らず、売り出されたマンションがすぐに売れていない状況であれば、市場では人気のないマンションなのかもしれません。
また、インターネットで売買情報サイトから、同じマンションだけでなく周辺のマンションの売り出し価格まで検索し、相場を調査しておきましょう。
プロのアドバイスは非常に重要ですが、相談する時の質問力を身につけるためにも、最低限の知識を収集するようにしておいた方がよいのです。
そもそも価格査定とは?
不動産業者の価格査定は、2種類の方法を使います。それぞれの方法を見ておきます。
1)取引事例比較法
不動産会社は過去の取引事例の情報を持っています。不動産業者だけが閲覧できるサイト(レインズ)で、自社に限らず他の業者が扱った物件でも、成約価格などを調べることができます。
調べた売却予定マンションや似た条件のマンションの過去の取引事例を基に、売却価格の査定をします。
また、同じマンションであっても、部屋の広さ、南向き、西向き、角部屋等の違いで値段が変わるため、それを考慮した価格になります。
仲介業者は、「直近で1階の西向きの部屋で、5000万で売却された事例がありますが、お客様の物件は12階の南東角部屋ですので、5500万で売れます」といった査定結果を提案してきます。
1階よりも高層階の方が人気は高く、また西向きの部屋よりも南東角部屋の方が人気は高いので、査定価格も高く出て来ます。
2)価格査定マニュアルを用いて査定する方法
新築から2、3年しか経過しておらず、売買実績がない場合は、不動産会社は「価格査定マニュアル」をもとに、査定価格を決定します。
「価格査定マニュアル」とは、築年数、駅からの距離、近隣の状況、環境、マンションの管理状況、部屋の中の状況等の項目にそれぞれ採点をして、価格を出すためのマニュアルです。
公益財団法人 不動産流通近代化センターが提供しているマニュアルで、ほとんどの不動産業者が利用しています。
・・・・・上記1,2の査定方法を基に査定価格を提示してくるのが一般的です。
売却を希望する人は、仲介依頼した不動産会社にアドバイスをもらい、直近の相場価格を充分に意識して、売り出し価格を決定することがマンション売却の良いスタートを切ることにつながります。
また、早くに売却したいなら、売り出し価格をあえて低くしたり、売り出してから値引きするタイミングを早めにしたりする戦略もあります。
仲介業者まかせにしてはいけません。売り出し価格は、相場価格を知った上で定めることがベストです。
室内の状態に問題がある物件は売りにくい
内見が入るのに成約に至らない。そんな場合は、室内の状態に問題があります。
売却の内見依頼は突然入ることもあります。そのため、いつ内見が入ってもいいように室内をきれいに掃除しておかなければなりません。
また、どんなにきれいでも、物が溢れかえっていたり、汚れた家具が設置されていたりすると非常に印象が悪くなります。
印象はとても大事な要素なのです。自宅マンションも「商品」なのです。商品は見栄えが大事です。価格や立地が良くても、印象の悪い部屋を買おうとは思わないものです。
※清掃について
できれば室内清掃業者に依頼して、プロの手によってきれいにクリーニングしてもらいましょう。
売買を依頼した業者に相談すれば、紹介してくれる場合もありますし、ダスキンなどに依頼すればとてもきれいに掃除してくれます。
特に注意が必要なのは「水回り」です。自分自身が住んでいて毎日見ていると、汚れに気がついていないこともあります。
また、ファミリー物件の場合は、購入する際、女性が必ずキッチンや風呂場を細かく確認しますので、清潔にしましょう。
内見する人は、売主の前では気を使って言葉を発せず、後で不動産屋の事務所に戻ってから担当者だけに感想を話していることもあります。
内見時に汚いと言われていないからといって、決して油断をせず、もう一度室内を確認してみましょう。
※掃除・準備の重点ポイントはココ!
内覧時によく見られる場所別、掃除・整理のポイント を整理してみました。
内覧する人がよく見る場所は、必ずきれいに掃除しておきましょう。こんなところ見ないだろうと油断しているところほど、見られてしまうものです。
部屋全体をきれいにするのはもちろんのこと、以下の重点ポイントを押さえておきましょう。
◆その家の顔とも言える玄関・・・・玄関に靴が散乱していたり、物が山積みになっていたりするようではいけません。
内覧のときだけでも、玄関に置いている邪魔なものは片付けて、少しでも広くみせるようにしたいものです。
靴は1人1足を心がけると玄関がスッキリします。
◆リビングの印象が重要・・・・・玄関から真っ先に向うのがリビング。リビングの印象で、その物件を購入するかどうか決まってしまうといっても過言ではありません。
良い印象を与えるのは、広くて明るいリビングです。
もしリビングが狭いなら、家具の配置に気をつけ、内覧のときだけでも不要な家具を移動するなどして、少しでも広く見えるようにしておきたいものです。
また、明るさを確保するためカーテンは全開にしておくのが基本です。少しでも明るく感じてもらえるよう、可能なら明るい照明に交換しておきたいものです。 もちろん見学者を迎えるときは、昼間でもスイッチをONにしておきましょう。
◆狭く見られがちなキッチン・・・・・リビングの次に向かうのがキッチンです。
キッチンは色々な物が置いてあり、実際よりも狭く見られがちです。キッチンの第一印象は、使い勝手よりも広さです。
少しでも広くて使い勝手が良いキッチンという印象を持ってもらえるよう、きちんと整理・清掃をしておきましょう。
調理スペースが十分あると思われるように、不要なキッチン用品を処分したり、洗い終わった食器やコップを片付けたりすることで印象度は変わります。
◆トイレや洗面所、バスルームなどの水回り・・・・・水回りで厄介なのが簡単な清掃では落とすことができない水垢です。
そのため、水回りに関しては多少費用が掛かっても、専門のクリーニング業者を入れておくことを勧めます。
綺麗に清掃しておくことで清潔感をアピールしましょう。
◆盲点になりがちなバルコニー・・・・・内覧時に盲点となりがちなのがバルコニーです。
内覧者はバルコニーまでチェックするのです。
普段は玄関や室内に置いている物をバルコニーに隠しておいたのに、「バルコニーを見せてください」と言われて青ざめるようではいけません。
バルコニーは内覧時に確実に見られるポイントです。きれいなスリッパを用意して、ゴミなどが落ちていないかも見ておきましょう。余計な物があれば片付けておくようにしましょう。
悪質業者には依頼しないこと
不動産会社は、専任媒介契約、もしくは専属専任媒介契約の締結後、物件情報をレインズに登録することが義務付けられています。
レインズとは、登録している不動産業者しか閲覧することができない、物件情報を提供しているシステムのことで、不動産業者はこのシステムを使って、物件の情報を流通させています。
レインズ経由で、さまざまな不動産会社から購入希望者が現れるのが普通です。しかし、一部の業者は買主も自社で見つけて、仲介手数料を2倍取れる、両手仲介を画策しています。
売主に対しては、さも広く広告して宣伝しているかのように報告を入れてきますが、実態としては他社からの購入希望者を断っているのです。
これをされると、物件が紹介される機会が格段に減るため、大きな痛手となります。
一番確実なのは、内見に立ち会うことです。居住したままで売り出す場合は、当然に立ち会うことになりますが、退去後の売り出しの場合は、実際の営業活動が見えなくなります。
内見にほかの不動産屋の担当者が一度も来たことがない、そんな場合は両手仲介を狙って他社紹介を遮断している可能性があります。
これを阻止するためには、売主自身がマンション売買について素人ではないと業者に思わせることです。
例えば、報告を受ける際に、どこの不動産屋から問い合わせがあったのかなどまで一歩踏み込んで聴いたりすることで、プレッシャーをかけることができます。
なかなか売れない場合、業者から対策を提案してくれることもありますが、単純に値下げを勧めてくるだけのことも多いものです。
やはり自分の大切な財産のこと、業者任せにせず、自ら積極的にアクションを起こすことが、マンション売却を成功させためには大事です。
売り出し期間中、反響が少ない場合の対策
案内希望者が少ないというときの、売主が取れる対策を見てみましょう。
①
売り出し価格を下げる
②
販売戦略を変える
③
販売サイトに載せている画像を変える
④
仲介業者を変更する
⑤
しばらく待ってみる
以上の対策のうち、まずは依頼した業者がどれを選んで提案して来るかを待ちましょう。 そのうえで、適切な判断をしなければなりません。 放置しておくのは最悪の策です。 長くても2か月を経過したら、「対策を聞きたい」と投げかけましょう。
・・・今日はここまでです。ご購読ありがとうございました。ご質問・ご相談のお申込みはこちらから(http://www.syuppanservice.com)
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6月20日(第787回)以前の記事はこちらです
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